農林水産省農政局が発行する「産地証明書」と、商工会議所が発行する「原産地証明」について

農政局発行の「産地証明書」と、商工会議所発行の「原産地証明」について


 
「産地証明書」と「原産地証明書」は語句が似ていますが、異なるものです。

日本国内で発行される書類に、農政局(農林水産省)が発行する「産地証明書」と、商工会議所が発行する「原産地証明書」があります。 産地証明書と原産地証明書で名前が酷似していますが、本来的な用途は一部の特例措置を除き、異なっております。

「産地証明書」は、日本政府(農林水産省、農政局)が発行する証明書であり、公文書となっています。 対して「原産地証明書」は民間企業である商工会議所が発行する民間の証明書であり、私文書です。

産地証明書 ― 公文書
原産地証明書 ― 私文書

産地証明書の目的は、放射能の輸入規制を実施している相手国の要求に応じ、「輸出される加工食品・農産物等が放射線の影響を受けた地域以外で生産・加工されたことを証明するため」のものです。

これは詳細事項を定めた公文書であり、産地証明書は都道府県等の「産地」を証明することが出来ます。 一方、原産地証明書は、商品(貨物)の原産国を証明するものであり、都道府県等の「産地」を証明するものではありません

産地証明書 ― 都道府県などの「産地」を証明
原産地証明書 ― 商品(貨物)の「国籍」を証明

このように、産地証明書と原産地証明書は名前がよく似ていますが、公文書と私文書の違いの他、何を証明しているのかが大きく異なっています。

原産地証明書の特例


 
原産地証明と産地証明書は紛らわしいものですが、その理由が原産地証明書の特例にあります

産地証明書と原産地証明書は名称が酷似している為、ある種の紛らわしさがあり、輸出などを行う際にどちらが必要なのか分からなくなってしまうという事例があります。

特に、原産地証明書に特例が課されている状況では、産地証明書と原産地証明書の区別や用途の分別がつかなくなる場合があります。

2017年9月22日(金)までは、JETROでも中国向け輸出では「原産地証明書」が必要であるとしていました。しかし、これは間違いであり、2017年9月22日以降は訂正され、「産地証明書」の取得が求められています。

原産地証明書は、あくまでも「国籍」を証明するものであり、証明できるのは「日本産食品」であるということだけです。 原産地証明書は前述した通り、商品の「原産国」を証明する書類であり、都道府県等の「産地」までを証明するものではありません。

しかし、諸外国が政治的判断で緊急に輸入規制を強化などした際、特例として原産地証明書でもその国への輸出に向けた食品に限り、商品(貨物)の産地を記載することがあります(台湾など)。

【例】台湾向け食品に関する原産地証明への都道府県名記載について【静岡商工会議所】

その場合、各地域の商工会議所が一斉に特例措置に伴う宣伝を行う為、商工会議所発行の原産地証明書で、全ての国の放射能に係る輸入規制問題を解決できるような印象を受けてしまいます。

ですが、これは各地域の商工会議所でもアナウンスをしていることですが、特例による都道府県等の産地を証明した原産地証明書は、あくまで私文書であり、その有効性は現地の通関が判断するものであり、商工会議所は保証を行っていません。

よって、この特例による原産地証明書での通関は、あくまで自己責任という形になっています。

原産地証明書の効果と、産地証明書の効果


 
原産地証明書の効果と産地証明書の効果は別物です

商工会議所が発行する私文書である「原産地証明書」とは、どういった場合に要求され、効果を発揮するものでしょうか。

①輸入国の法律や規則により要求される場合。
②信用状や売買契約などにより要求される場合。

大別して、以上の二つがあります。①の事項がある為、放射能の輸入規制にも使用することが出来そうに思えますが、原産地証明書はあくまでも「原産国」を証明するものであり、 「産地」を証明するものではありません。

また、①の「輸入国の法律や規則により要求される」場合でも、船積書類として要求されるのであり、放射能の輸入規制に係るものではありません。

放射能の輸入規制に係る「産地」の証明は、農政局(農林水産省)が発行する「産地証明書」で行われます。原産地証明書の特例などによって分かり難い面もありますが、 「産地証明書」が放射能輸入規制が行われている諸外国へ、日本産食品を輸出する際に必要となる書類です

中国の放射能輸入規制:原産地証明ではなく、産地証明書


 

中国の国営放送のテレビ局である「中国中央電視台(CCTV)」は毎年3月15日の「世界消費者権利デー」に、315晩会という特別番組を放送しています。 2017年3月15日には、輸入規制がされている筈の日本の福島県産などの食品が中国で流通していることが問題視され、中国市場に大きな影響を与えました。

3.15以降、中国の日本産食品の輸入規制は民間レベルで強化されています。 そうした中、規制がされている10都県(福島県、群馬県、栃木県、茨城県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都、千葉県)以外の食品でも、産地証明書の税関への提出が必要となります。

中国への輸出で必要となるのは、「原産地証明書」ではなく「産地証明書」です。 繰り返して言うように、原産地証明書は「国籍」を証明するものであり、中国が求める産地証明は、原産地証明では不十分です。

中国へ食品の輸出を考える際には、「原産地証明書」ではなく「産地証明書」が求められます。

韓国・台湾の放射能輸入規制:産地証明書と原産地証明書


 

韓国の場合も中国と実情は同じで、韓国へ食品を輸出する際には「原産地証明書」ではなく、「産地証明書」が求められます

また、台湾の場合は特例があり、「産地証明書」ではなく「原産地証明書」の特例で、都道府県を記載した原産地証明書で輸入通関を行える場合があります。 しかし、これは商工会議所が注釈として述べているようにあくまで私文書となり、有効性は現地の通関が判断するもので商工会議所は保証を行っていないので、その点をご注意ください。

産地証明取得・代行料金


 
産地証明書の取得は煩雑な面もありますが、弊社ではコンサルティングサービスを実施しております

放射能の輸入規制が実施されている諸外国向けに「産地証明書」の取得を行うには、国や地域によってステップや方法論が少しずつ異なります。 詳細については、弊社の専用ページをご覧ください。

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・日本産食品の放射能輸入規制が掛かった諸外国への産地証明取得代行料金   : 10万円~
・日本産食品の放射能輸入規制が掛かった諸外国への産地証明取得コンサル料金 : 3万円~

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